【投資の教科書:第11章】「使う時期」で色分けせよ!10年以内に必要なお金を絶対に投資に回してはいけない理由

オルカン基本

「生活防衛資金はちゃんと確保したし、残りの貯金は全部オルカンに回して大丈夫だよね?」 「子どもの高校・大学の学費や、5年後のマイホームの頭金も、今使わないなら投資で増やしておいた方がお得じゃない?」

前回の第10章で、人生のピンチに備える「生活防衛資金」の大切さを学びました。ガードを固める重要性が分かると、次に迷うのが「それ以外のお金の使い道」です。

特に、数年後に使うことが決まっているまとまったライフイベントの資金について、「どうせ今すぐ使わないなら、オルカンに入れておこう」と考えてしまう初心者が非常に多いです。

しかし、堅実な資産形成を行うための大原則をここでお伝えします。 投資に回していいのは、最低でも「10年以上、絶対に使う予定のないお金(余剰資金)」だけです。10年以内に使うことが確定しているお金を投資に回すのは、絶対にやめてください。

今回は、なぜ「10年」という期間が境界線になるのか、投資とお金のタイムリミットに関する真実を分かりやすく解説します!

【投資の教科書:第1章】これだけでいい!初心者こそ「オルカン」を選ぶべき理由
「将来のために投資を始めたいけれど、何を買えばいいのかさっぱり分からない…」「損をするのが怖くて、なかなか一歩を踏み出せない…」将来への不安から投資に関心を持つ人が増えている一方で、株、債券、不動産、投資信託、暗号資産……世の中には星の数ほ…

なぜ「10年以内のお金」を投資に回してはいけないのか?

理由は非常にシンプルです。 インデックス投資(オルカンなど)は、「15年〜20年以上の長期で持って初めて、元本割れのリスクがほぼゼロに収束していく」というデータに基づいているからです。

逆に言えば、1年〜5年といった短い期間では、いくら最強のオルカンであっても、元本を大きく割り込んだ状態でタイムリミットを迎えてしまう可能性が十分にあります。

【具体例】3年後に「子どもの大学入学金」が必要なAさんの場合

Aさんは、3年後に必要になる子どもの学費300万円を「定期預金じゃ増えないから」とオルカンに全額投資しました。

  • 1年目〜2年目: 世界経済が好調で、300万円が350万円に増えて大喜び。
  • 3年目(入学直前): 突然、歴史的な大暴落(〇〇ショック)が発生。株価が40%下落。
  • 結果: 資産が「210万円」に目減りした状態で、大学の支払期限が来てしまいました。

学費は待ってくれません。Aさんは泣く泣く、大損しているタイミングでオルカンを強制的に売却し、足りない90万円をどこかから工面せざるを得なくなりました。

もしこれが「20年後に使う老後資金」であれば、3年目に大暴落が来ても「あと17年あるからほったらかそう」と気絶していれば、その後に世界経済が復活して大増額していました。しかし、使う期限が近いお金は、相場が悪い時に「待つ(復活を待つ時間稼ぎをする)」という選択肢が取れないのです。

賢い大人のルール:お金を「3つの期間」に色分けする

投資で絶対に失敗しないためには、あなたの手元にあるすべてのお金を、使う時期に応じて「3つのカゴ」に色分けして管理するのが鉄則です。

投資に回していいのは、あくまで「③長期のお金」だけです。 「②中期のお金」は、増えなくてもいいから「使う時に1円も減っていないこと」が何よりも重要になります。元本が100%保証されている銀行の定期預金や、日本の国が保証してくれる「個人向け国債(変動10年)」などにカチッと入れて眠らせておきましょう。

お金の期間に関するFAQ(よくある質問)

期間の切り分けについて、初心者が迷いがちなポイントにお答えします。

Q1. 「10年以内に使うかもしれないし、使わないかもしれないお金」はどうすればいいですか?

A. 迷うくらいなら、投資には回さず「現金(貯金)」として持っておくのが安全です。 「もしかしたら5年後くらいに家を買うかも」「数年後に結婚するかも」という不確定な予定があるなら、そのお金は「中期のお金」とみなします。投資を始めてから「やっぱりお金が必要になったから売る」というのは、第8章で学んだ手数料やタイミングのペナルティを食らう原因になります。ライフプランが固まるまでは、現金で持っておく方が人生の小回りが効きます。

Q2. 5年後に使うお金を、リスクの低い「債券ファンド」で運用するのはアリですか?

A. 初心者の方は、あえて債券ファンドを買うくらいなら「定期預金」や「国債」がベストです。 投資信託として売られている債券ファンドは、株より値動きが緩やかですが、元本保証ではありません。金利の動きによっては普通に元本割れします。「5年後に300万円きっちり必要」という目的があるなら、わずかな利回りを欲張って投資商品を買うよりも、日本の銀行や国が元本を保証してくれる場所へ置いておくのが一番ストレスがありません。

【まとめ】出口(使う時期)から逆算して投資をしよう

今回の授業のまとめです。

  • 大原則: 投資は15年以上の時間をかけてリスクを抑えるもの。10年以内のお金は引き際が選べないためNG
  • 対策: お金を「短期」「中期」「長期」の3つのカゴに色分けする
  • 結論: 数年後の学費や車の代金は、増やすことより「絶対に減らさない守り(貯金)」を最優先する

「オルカンを買ったらとにかくガチホ」と何度もお伝えしてきましたが、これができるのは「最悪、あと10年は絶対に引き出さなくても生活が成り立つお金」で投資をしているからこそです。

いくらオルカンが優秀でも、使う時期の迫ったお金を入れてしまえば、それはただの「時期のコントロールができないギャンブル」になってしまいます。

しっかり現金のカゴ、投資のカゴを切り離し、自分のライフプランに合わせた安全運転で資産形成を進めていきましょう!

[参考]
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS(イーマクシス)

【投資の教科書:第1章】これだけでいい!初心者こそ「オルカン」を選ぶべき理由
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